エンジン総排気量 |
1,135cc |
ピストン |
ワイセコφ74mm |
カムシャフト |
ウェブST-3 |
キャブレター |
ケーヒンCRφ33mm |
エキゾーストシステム |
ブルーサンダース |
電装系 |
ASウオタニ SPⅡ |
オイルクーラー |
アクティブ |
ホイール |
(F)JBパワー マグ鍛 JB1 2.75-18 (R)JBパワー マグ鍛 JB1 4.50-18 |
タイヤ |
(F)コンチネンタル 2CR 110/80-18 (R)コンチネンタル 2CR 150/65-18 |
Fブレーキ |
キャリパー:APレーシング CP2696 マスター:ニッシン ラジアルポンプ |
Fフォーク |
アドバンテージKYB |
ブラケット |
PMC |
Rショック |
オーリンズ |
スイングアーム |
モリワキエンジニアリング |
ステップ |
スピードショップイトウ |
クラッチ |
F.C.C. |
etc. |
2014年5月に開催されたテイスト・オブ・ツクバのモンスタークラスで2位入賞をはたしたのがこのZ750FXになります。
もともとはオーナー様が独自に手掛けてきたマシンでありましたが、様々なトラブルが発生したということで、当店でサポートさせていただくことになりました。特に不具合を抱えていたのがエンジン部分で、ツインプラグ化したうえで1,135cc化されていましたが、パワーの向上が図れていないという状態。そのため各部をチェックし、不具合の原因だったバルブタイミングなどを最適化することで本来狙っていたパワーアップをようやくはたすことができました。
高額なパーツを装着すればレースで勝てるというのであればいいのですが、実際はそのパーツの特性はもちろん、車体とどうマッチングさせるかが重要になります。また一度構築したマシンを再構築するにしてもパーツを総取り替えするのではこれまでのデータや経験を活かすことができませんし、なによりもお金がかかります。必要なところは交換するしかないですがタイムを出すにも乗りやすさを追求するにも、車体に合ったセッティングを出すことをまずは意識してカスタムを進めました。
フロントブレーキはAPレーシングCP2696をチョイス。空冷Z系では見た目のマッチングから定番チョイスだが、制動力そのものも強力で、サーキットでも不満のない性能を発揮できる
ブラケットはPMC製をチョイス。オフセット量50mmと45mmの2タイプがリリースされているが、こちらは45mmのモノとなる。フロントフォークはφ38mmアドバンテージKYBだ
撮影時はストリート用と兼用だったため、メーターパネルは純正。ただしタコは永井電子のウルトラに換装し、PラップⅢやヨシムラのデジタルメーターを追加することで情報収集力を強化している
ブレーキマスターはニッシンのラジアルポンプ。比較的安価で補修パーツも容易に入手可能でもあり、レースシーンでも人気が高いパーツだ。性能面でも十分満足できる内容である
オイルクーラーはアクティブのラウンドタイプ。もともと冷却効果は高いが、当社が手直しする以前は130度まで油温が上昇していた。現在はレース中でも110度付近で収まっている
エンジンは当社に持ち込まれる前からツインプラグ化と1,135ccへのボアアップ、さらにウェブST-3カムシャフトなどが導入ずみだったが、それだけ手を入れたのにもかかわらずパワーダウンしていた。そこで当社が再設定し直すことで性能をフルに発揮できるようになった
空冷Z系はエンジン幅の関係からカバー類が接地することが非常に多い。そこでバンク角を稼ぐためカバー類は切断後、再溶接した。なお車高は不安定になることを嫌い、あまり変化させていない
キャブレターはTOTモンスタークラスのレギュレーションに合わせてケーヒンCRをチョイス。排気量(1,135cc)に対しては小さいようにも感じるが、φ33mmでも十分対応可能である
ステップは操作性が良好と評判のスピードショップイトウ製をチョイス。ただし位置がやや前すぎると感じ、モリワキエンジニアリングのプレートを流用して位置をやや下げている
エキゾーストシステムはブルーサンダース製メガホンをチョイス。取り付けにはややコツが必要だが、スタイル面から愛好者も多い。現状は出荷時の無塗装のままとなっている
リヤショックはモリワキエンジニアリング製だったが、旧タイプのためオーリンズ製に変更し、セッティングを煮詰めてフロントとのバランスを取っている。車高は若干アップさせた
スイングアームはモリワキエンジニアリング製のスチールをチョイス。この角型にあこがれている人も少なくないのでは? またホイールは前後ともJBパワー・マグ鍛のJB1をチョイス
リヤブレーキキャリパーにはカワサキ系の純正キャリパーを流用し、リーズナブルにリヤブレーキを強化した。タイヤは近年急速に注目されてきたコンチネンタルの2CRをチョイスする